次回告知と合評会のお礼
先日刊行された『文学史を読みかえる・論集』第3号の合評会が去る9月26日に行われ、無事終了しました。お集まりくださった皆さまお疲れ様でした。今回の参加者には遠方から久しぶり来られた方も。本当にありがとうございました。
「限りなく厳しく、しかも楽しく」。このような前提のもと、追悼文を除く4つの論文と2つの書評が検討されました。各文章につき30分という限られた時間ではありましたが、コメントのなかには忌憚のない批判や本質的な指摘もありーー仲間褒めや馴れ合いといったものとは遠く離れたーー合評会に相応しい緊張感のある時間がもてたのではないでしょうか。
討議での論点は多岐にわたり感想もさまざまでしたが、畢竟、問われたのは文学表現に向き合う姿勢そのものについてでした。とりわけ全執筆者に向けられた次のような総論は、重く受け止めなければなりません。
作品を徹底的に読み、作者と真剣に向き合うなかでしか、文学表現に肉薄する言葉と思考は生まれてこない。「読みかえる」という営為も自分が「読み手」であることから始まるのであり、その「原点」を忘れてはならないのだ。作家が心血をそそいで書いた表現に渡り合えるような力と覚悟を込めて、作品を読むべきであるーー。
こうした根元的な課題をつきつけられたことこそが、本合評の最大の意義であり成果だったと思います。後日、メンバーからの「このままでは終われぬ」との声もあり、今回得られた批判への応答や反撃は来るべき『論集』第4号で活かされると強く信じています。
その後、場所を変えての「討論」も夜遅くまで続き、継続的な共同作業の新たなはじまりとなる実りある一日でした。
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次回、研究会のお知らせです。
◆ 日時:11月22日(日)13:00-17:00→※12時~17時(開始時間が早まりました。)
*次回は日曜日になります。ご注意ください。
◆ 報告者: 黒田大河さん
◆ テキスト:永山則夫『木橋』(立風書房1984年、河出文庫2014年)『捨て子ごっこ』(河出書房 1987年)
皆さま奮ってご参加ください。
また、「荒らし」対策として閉鎖していたコメント欄をこの度開放することにしました。関心分野を問わず、歴史や現実、そして虚構に思いを寄せるかたがたの参加を、こころより希っています。興味のある方はどうかお気軽にお声がけください。詳細をお伝えします。
会員でない方や初めての方、あるいは旧会員の方々も遠慮なくコメントいただければ幸いです。